第75章 折れない心
平和ならばその場で笑ってしまいそうなやり取りでほんの少しだけ肩の力が抜けた。
直後、道満が呪を唱え始めたが、宇髄が妨害に入った。
彼の操る『言霊』の威力は測りしえない。
それに……
困惑からなのか、微動だにしなくなった無惨の動向も気になる。
どこまで有効な技があるかは知らないが、鬼を陰陽に分けるならば、陰。
陽に当たる呼吸は『日の呼吸』ということなんだろう。
決定打は竈門にかかっているのかもしれないと宇髄は直感した。
そして、その判断は結果的に正しい。
大事なのは攻め方だ。
胡蝶と我妻が合流し、九人の柱と炭治郎、伊之助、善逸、玄弥が集い、鬼殺隊は手勢、十三となった。
これで戦力が補強されるのか分からないが……
『炎』『水』『恋』、『蟲』、『風』、『霞』、『岩』、『蛇』『音』。
柱が九人揃えば出来ることもあるはず……