第75章 折れない心
前回のあらすじ↓
鳴女を追い詰め、無限城が崩落を始める。
愈史郎が鳴女の背後から彼女を取り抑えようとした時、鳴女が無惨に変貌した。
動揺する一同の中でいち早くその正体にたどり着いたのは白藤であった。
無惨がまだ人であった頃の平安時代。
無惨の為にと白藤が青い彼岸花の薬を飲み始めて体調を崩した時に薬にも詳しいという噂を耳にし、蘆屋道満に声をかけたのが始まりだった。
道摩法師と呼称される彼は、播磨国からはるばる京の都までやってきた腕利きの陰陽師だった。
ただ、貴族社会である都では左京側の表立った都を取り仕切るのが安倍晴明。
暗く寂れた右京側、栄華の影となる部分の守護を取り仕切るのが蘆屋道満。
いつしかそれが当たり前になり、蘆屋道満は安倍晴明への憎悪を募らせていくのだった。