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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第70章 咲くは朱なれど散るは白


声が聞こえる。



『力が欲しいなら、鬼となれ』



ああ、そうだ。

今の俺が弱いから、こんな夢を見るんだ。



『夢の中でなら、鬼となっても誰も責めない』



そうだ。

ここは夢の中だから。



『夢の世界でなら、好いた者を護ることが出来る』



そうだ。

鬼になって、強くなれば、白藤さんを護ることが出来る。



『鬼となれば、その者の隣に並んで立てる』



そうだ。

ずっと傍にいられる。



『鬼となれ。欲するものが有るならば』



鬼になれば。

欲しい者に手が届く。



欲しい、欲しい。



彼女が、欲しい。




炭治郎が手を伸ばす。

初めて自らが恋焦がれた彼女。



傍に居たい。

繋ぎ止めたい。

笑顔にしたい。



俺が与えられるものは全て捧げても構わない。

だから、この手を……


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