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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


舞山が何の気なしに懐に手をやるとカサりと音がした。

先程、蘆屋道満から手渡された薬包だ。

気を落ち着かせる効果があると言っていたな。

舞山は躊躇いなくその薬を口にした。

何だ?

変化はすぐに現れた。

渇く。

酷く、喉が渇く。

水を探そうかとも思うが、舞山の足は薬師の屋敷に向かい歩き続ける。

水。

薬師の屋敷の手前に小川が流れていたが、不思議と飲みたいとは思わなかった。

こんなにも、喉が渇いているのに。

おかしいと思いながらも、舞山は歩き続ける。

門扉の近くには誰もいない。

ならば屋敷の中か?

舞山の足は止まらない。

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