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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「下らぬ……」

炎虎は無惨の鞭のように伸びる腕によって、消し飛んだが。

「珠世さん!」

炭治郎が珠世の手を掴み、事なきを得た。

だが、珠世の肉体は崩壊を続けている。

どうすれば、良いんだ?

炭治郎は頭を抱えた。

ここは蝶屋敷じゃないから医学を処方できない。

ましてや、この場には肝心の胡蝶さんが居ない。

どうする?

こんな時、いつもなら………

ハッとして、炭治郎は反射的に振り返った。

そうだ、彼女なら。

炭治郎は冨岡の横に居る白藤に向かって手を振ろうとした。

「それ以上、動くな!竈門少年!!」

グイッ!!

煉獄に隊服の襟首を掴まれた炭治郎が後方へ下げられた。

次の瞬間。

「へ?」

ズシャッ!!

「煉、獄さん……?」

そこには、煉獄の左腕が落ちていて。

一瞬、炭治郎は体の芯が冷えていくような感覚に囚われる。

「気にするな、竈門少年!!」

振り返った煉獄が額に汗を浮かべながら、笑顔を作っていた。

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