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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


カナヲの決死の覚悟を感じてか、禰󠄀豆子の瞼が震え出す。

これは、目覚めるのか?

その場にいた一同に緊張が走る。

だが、次に目覚めた禰󠄀豆子が人間に戻っているかどうかは分からない。

今の戦闘局面では、ただの人間では戦えない。

禰󠄀豆子の目覚めを待ちながらも、その戦闘力を期待してしまう。

この子達ばかりに期待をかけてはいけない。

分かってはいる。

だが………

鱗滝は低く唸る。

鬼の性が抜けきらぬようであれば、再び暗示をかけなければならないのではないかと。

果たしてその猶予があるのか。

そう、考えていた時だ。

「禰󠄀豆子!!」

屋敷が見えた段階で、カナヲは叫んだ。

気付いて貰えるように。

普段の彼女からは想像出来ない大きな声で禰󠄀豆子を呼んだ。

誰かが呼んでいる。

私を呼んでいる。

そう。私は、竈門禰󠄀豆子。

目覚めた禰󠄀豆子はすっくと起き上がるなり、駆け出した。

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