• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「ダメですね、俺は……」

「竈門少年?」

「無惨を倒すために強くなってきたはずなのに、あんな光景を見ると……家族の最期と重なって見えてしまって……」

駄目だ、心を奮い立たせろ。

ここで泣いても何も変わらない。

「竈門少年。今は堪えろ。君は強くなった。それは俺も知っている。だから、今日で終わらせるぞ。哀しみの連鎖を。俺たちで止めるんだ」

「…………」

そうだ、今日で、決着をつけるんだ。

俺一人じゃ無理でも、煉獄さんが居るなら……



ーー心を、燃やせーー



あの日、言われた言葉を。

俺は何度も繰り返し、胸の内で唱えてきた。

隣にいる煉獄さんに。

いつだって俺は助けられてばかりだ。

「大丈夫か?竈門少年」

唇を引き絞り、顔を横に振って涙を蹴散らす。

「大丈夫です」

「では、行くぞ」

/ 1846ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp