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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「人間とは違い、烏の肉など喰えた物では無いな」

握り潰した鎹烏を床に放り投げて、無惨は珠代の髪を無理やりに掴む。

「どうだ?珠代。お前の『鬼を人間に戻す薬』とやらも結局効きはしなかったようだぞ?」

「お前は……今日…必ず…地獄に……堕ち……る…」

「今まで何百もの人間が私にその言葉を吐き散らしたが、それが叶うことは決して無かった。気の毒なことだ。お前もそう思うだろう?珠代」

ギチギチ。

珠代の顔にも無惨の腕の口が近づいていく。

居た!!見つけた!!

無惨だ!!

「竈門少年、落ち着け」

「煉獄さん……」

「まだ無惨は俺たちに気づいていない。ギリギリまで近づくぞ」

「………はい」

ビタっ!

「集中!」

「……」

「どうした?」

「前にもありましたよね」

「うむ。君が無限列車で刺された時だな」

「はい……」

不思議だ。

まだ1年と経っていないはずなのに、随分前の事のように感じる。


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