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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


数人の隊士が、肉塊から伸びる蜘蛛の糸のような肉に向かい、刀を振るう。

「それよりまず、四方八方に足がけしている肉を斬ろう!!」

「そうだ!俺はこっちを!!」

ガキン!!

だが、大多数が呼吸を上手く使いこなせていない隊士のため、無惨の硬度の高い肉を断ち斬るには実力が圧倒的に足りていない。

ガツッ!!

それでも懸命に刀を振るう隊士に鎹烏は告げる。

「待て!!ちょっと待て!!待機命令が出てる!!」

「待機なんてしてる場合じゃないだろ!!」

士気を下げぬようにとしているのか、一人の隊士が反論する。

「柱が来るまでに少しでも何か役にーーー………」

グワッ。

だが、その隊士は突如背後に現れた暗闇に飲み込まれた。

「え……」

ガシャ。

隊士が持っていた刀が落ちる。

いや、詳しく言えば、刀を握っていた腕だけが通路に落下したのだ。

なら、彼の体は………?

「無惨が!!」

一人の隊士が声を上げる。

ドロ……

通路の中央の肉塊の皮が解け落ちる。

ジュワ。

まるで毒でもあるかのように、肉片が落ちた通路の床は音を立て変色する。

「出て来っ……」

空になった肉塊。

中に居たはずの無惨は次は何を狙って………

ガガガガガガガ!!

騒音とともに意識を失う隊士たち。

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