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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


しかし、その力を有していないかたとくいなは戸惑いの声を上げる。

「えっ?」

「無惨の所に行かせるな!!柱が来るまで待機命令だ!!」

輝利哉は叫ぶ。

鎹烏を通して全部隊へと声を届ける。

これ以上、犠牲を出す訳にはいかない。

柱は白藤が何とか回復してくれている。

だが、一般隊士は?

先程しのぶが救護に専念すると名乗りを上げてくれたが、こちらは鬼のような目覚ましい回復は見込めない。

ならばやはり、強者が来るまでは待機させるべきだ。

「これだ!!見つけた!!」

一人の隊士が声を上げる。

「無惨だ!!」

空間と空間の隙間に肉の繭のような球体が張り付いていた。

「刃が届かない!!」

隊士たちが徐々に集まり始めた。

「落ち着け!!」

「誰か飛べるか?彼処(あそこ)まで!!」

無惨に攻撃を当てられないものかと、隊士たちは頭をひねる。

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