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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第71章 残荷、陽炎


娘は体が弱くてなかなか外に出歩けなくて、俺はその娘の世話を頼まれた。

娘の名前は恋雪(こゆき)と言った。

俺は親父を看病していた時のように、恋雪の世話をした。

髪を洗ったり、体を吹いてやったり。

そう、他愛のない話をしながら、慎まやかに暮らしていた。

体調が良くなった恋雪と花火大会に出掛けた時、来年も観られたら良いと彼女が言ったから、俺もまた来年があると信じていた。

満ち足りていたんだ。

本当に。

だが、ある日。

その日常は崩れ去った。

『誰かが井戸に毒を入れた!!』

狛治の幸せは手の内から零れてしまった。

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