第71章 残荷、陽炎
「竈門少年。何か掴んだのだろう?」
竈門少年の雰囲気が変わった。
額の痣も広がっているように見える。
「はい」
「なら、俺が隙を作る!!猗窩座の頸を斬るぞ!!二人で!!」
「はい!!」
何だ?
さっきの違和感は。
猗窩座には炭治郎が別の生き物のように感じられたのだ。
戦闘中に闘気が感じられなかった。
赤子でさえ、薄い闘気があるというのに。
あの男は。
竈門炭治郎はまるで植物のように。
闘気が無かった。
猗窩座は炭治郎が不気味に思えた。
まるで、無惨に初めて遭った時のような。
生物としての異端。