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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第70章 氷中の激情


「ちゃんと居るよ。この顔がその証拠さ。そういえば、赤ん坊の君によく指切りの歌を歌ってあげていたなぁ」

『指切りげんまん』

伊之助の脳裏に朧気な記憶が甦る。

指切りの歌が聞こえる。

殺された?

俺の母親が、こいつに?

しのぶの姉ちゃんも、この鬼に……

「不幸だよねぇ、琴葉。幸せだった時はあるのかなぁ?きっと何の意味も無い人生だったよね」

「黙れ、外道!」

カナヲがこんなにも感情を顕にするなんて。

でも、確かにこの鬼の所業は許し難い。

「嘴平……」

戦闘中にこんな話、士気が削がれてもおかしくねぇ。

頼む、立ち上がってくれ。

「感謝するぜ。この巡り合いに!仲間の仇と俺の母親の仇!お前ぇは絶対ェ地獄に送ってやらぁ!」

伊之助が刃を童磨に向ける。

負けてなんかやるものか。

例え、生き汚いと罵られても、この鬼だけはこの手で首を斬ってやらなければ怒りが収まらない。

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