第70章 氷中の激情
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今ならば……
胡蝶は最後の毒を試そうと童磨に視線を戻した。
胡蝶が何かをする気だ。
宇髄は伊之助と共に童磨の攻撃を捌いていた。
俺が首を狙いに行けりゃあ良いが、陽動が嘴平一人になったら押し負ける可能性もある。
かといって、これ以上胡蝶を一人で戦わせる訳にもいかない。
状況が好転しねぇ!
何かないか!?
何だ?
こっちに近づいてくる。
足音だ。
鬼か?
隊士か?
隊士なら、ソイツに嘴平と陽動してもらうしかねぇ。
バンッ!
鬼と師範!!
「「カナヲ!!」」
胡蝶の継子か。
確か花の呼吸の使い手のはず……
場合によっては鬼の首も狙える!
「ツキが回って来たぜ!!」