第69章 向かう先に
ベベン!!
琵琶の音と共に鬼殺隊隊士の足下に扉が出現する。
「「!!」」
扉が同時に開き、白藤共々、隊士達が吸い込まれていく。
地上に残ったのは、産屋敷一族と槇寿郎のみ。
無惨と珠世もその場から消えた。
「何が起こったんだ」
「……槇寿郎。あまねと輝利哉を頼む。私が指揮を執る……」
「父上!!指揮は私が!」
「輝利哉……」
「御館様。指出口を申しますが、お許しください。指揮は輝利哉様にお任せしましょう。私が貴方の横に控えますご子息に託しましょう」
「……分かった。ありがとう、槇寿郎」
「勿体なき、お言葉にございます」
槇寿郎は隠の隊員に指示を出し、産屋敷本邸に近い街や交通網を閉鎖する。
近隣の市民に危険が及ばぬためだ。
入れ替わるようにして、医療部隊と藤の屋敷の協力のもと、耀哉の治療が始まった。
ー了ー