第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
その控えめな笑顔が冨岡の心をくすぐる。
白藤のこの笑顔のためなら、何だってできる。
「うわぁ、綺麗」
ドトールショップから出た俺達はイルミネーションで彩られている大通りへ。
「雪も降れば完璧なのにね?」
「そうだな……」
吐く息も徐々に白くなってきて、気温がまた下がったような気がする。
先程軽食で暖をとったおかげで、きもち温かさは残っているが。
白藤の首元が寒々しく見えて……
「白藤……」
「なぁに?」
「これ、巻いておけ」
自分が首に巻いていたマフラーを白藤に巻いてやる。
「暖かいけど、いいの?」
「あぁ。気にするな」