第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
「そうなの?」
「あぁ。学園祭が近いからな。見学くらいは来られないか?」
「主治医(せんせい)に聞いてみますね」
蔦子お姉さんに話しかける龍臣お兄ちゃんの目がいつもより優しい。
それで何となく気付いてしまった。
龍臣お兄ちゃんはきっと蔦子お姉さんが好きなんだって。
素敵だなと思う半分羨ましかった。
私は好きとかまだ分からなかったから、恋をする事自体に憧れがあった。
隣に居る義勇くんの顔を見る。
いつか、義勇くんを好きになったりするのかな?
「何だ?」
「ううん。何でもない」
龍臣お兄ちゃんが蔦子お姉さんと何か話して笑っている。
あぁ、いいな。