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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


巌勝様とは少し違う。

あの方は、役割の中で私の事を蔑ろにしない様に務めてくれた。

『限られた世界』の中の私の腕を引いてくれた人。

槇寿郎様にとって瑠火様が『忘れられない人』であるのと同じく、白藤にとっても、巌勝が同様の存在だった。

そう、ずっと。

変わらない、はずだった。

『不変』であるはずだった。

これまでは。

でも………

「義勇さんを、好きでいて、良いですか?」

「今更何だ?当たり前だろう?俺は好きでは足りない。『愛している』」

「義勇さん……///」

冨岡と藤姫殿の再会は喜ばしい事なのに、何だろうか、入りずらい空気というか………

杏寿郎がそわそわし始めたのを見兼ねたのか、槇寿郎が咳払いを一つした。

その事で、二人も現実に引き戻されたようで、照れくさそうな表情を浮かべていた。

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