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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


「藤姫殿。少し歩かないか?」

「そうしたいのは、やまやまですが……」

「俺が背負うから心配いらないぞ」

「………よろしいのですか?」

折角の申し出だ。

風にも当たりたいし……

「お願い致します……ただ、重いですよ?」

「なぁに。問題は無いぞ」

杏寿郎が白藤を背負い、裏庭に面した竹林に向かう。

「随分伸びましたね……」

「父と来たことがあるのか?」

「えぇ。一度。瑠火様とのお見合いの前に」

「そうなのか」

「あら、タマゴタケが……時期がもうそろそろ終わりですよね」

「タマゴタケ?」

「えぇ。あちらに生えている赤い茸ですよ」

「赤いのに、タマゴタケなのか?」

「玉子の殻の様な膜を破って成長するからですよ」

「ほぅ。藤姫殿は茸にも詳しいのだな」

「そうですか?それにしても……」

「ん?どうかしたか?」

「あのタマゴタケ、傘が広がっているのが槇寿郎様、背伸びをしているのが杏寿郎様、卵殻から顔を出しているのが千寿郎君に似てますね」

「………そうか?」

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