第67章 澱(おり)の中で＄

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蝶屋敷にて。

「では今、白藤さんは煉獄さんの屋敷にいらっしゃるんですね」

任務帰りの煉獄が負傷なしで蝶屋敷に来るのは珍しいと、アオイがしのぶの部屋に煉獄を連れてきたのだ。

「そうだ。なのでたまに胡蝶に往診に来て貰いたいのだが、頼めるか？」

「わざわざ立ち寄ってくれたのはその言伝でしたか。分かりました」

「要。ご苦労さま。冨岡と竈門少年に文を届けてくれてありがとう」

「あら、冨岡さんは分かるとして何故炭治郎君なんですか？」

「俺もよくは分からないのだが、どうしても竈門少年に渡して欲しいと藤姫殿に頼まれてな」

「白藤さんが？もしかすると……」

「何だ？胡蝶」

「いいえ。確証が無いので何とも……」

胡蝶の脳裏には甲斐甲斐しく冨岡の世話を焼く炭治郎の姿を思い描いており、後で真相を究明しようと密かに決意したのである。