第66章 222万PV御礼 貴方の隣り 現代冨岡$
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俺はある噂を聞いていた。
「今度転校してくる女子の噂」
「噂?」
「男が頼んだら何でもしてくれるってさ」
「何でも?」
「すぐ脱いでくれたりすんのかー?」
制服を広げてアピールするおバカな男子を見ながら。
「アホか」
「でもそういう類いの噂だぜ?」
「噂だろ?」
転校当日。
「白藤です……」
ヒソヒソ。
「何か暗くね?」
「ねー白藤さん。帰りにさー一緒にカラオケ行かない?」
「塾があるので……」
「噂は当てになんねぇなー」
何かを抱えているのは見ていて分かった。
でも、深く聞こうともしなかった。
意識し始めたのは白藤が選挙管理委員になって、生徒会メンバーと縁が出来るようになってきてからだ。
どこか一定の距離をとっていた白藤が身近に感じられた。
力になりたいと思っていた。
「俺も白藤が欲しい……」
ようやく、手が届いた。
この手を離したくない。