• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第65章 慟哭$


「魅了」

白藤の姿が瑠火へと変わる。

「これでよろしいですか?槇寿郎様」

チクリと胸の奥が痛む。

期待をしないと決めているのに……

気取られぬように、心に蓋をする。

あたかも本物のように両手を槇寿郎に伸ばして囁く。

「槇寿郎様。お慕いしております」

偽りを顔に貼り付けて。

心の裡を悟られないように。

「瑠火」

もう、閨の際に『藤姫』とは呼ばれない。

「はい、槇寿郎様」

恥じらう様に目を伏せてから、上目遣いで彼の顔色を伺う。

そうして彼の反応を見て、瑠火になりきる。

髪の上を滑る槇寿郎の手が僅かに震えている。

熱の籠った視線の先に映るのは仮初の私。

/ 1832ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp