第65章 慟哭$
「杏寿郎。近い内に藤姫殿を連れて来なさい。御館様への許可は俺が取っておく」
「藤姫殿を我が家に?」
「あぁ。藤姫殿も今期の水柱には聞かれたくないこともあるだろうからな……」
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後日、冨岡の屋敷に白藤を迎えに煉獄がやって来た。
「冨岡、居るか?」
門前で威勢の良い声が響く。
「煉獄。うるさい」
「ははっ。スマンな。藤姫殿は居るか?」
「居るには居るが、残念ながらお前の相手を出来そうに無いぞ?」
着物の上からでも僅かながら、お腹が膨らんでいるように見える。
白藤は調子が悪いのだろう。
家屋の柱を背凭れにし、座り込んでいる。
「藤姫殿」
「杏寿郎様?」