第64章 絡む糸
「魅了……あー、あん時のか」
どうやら宇髄には思い当たる節があるらしい。
「何故、お前が?」
「そりゃあ、アイツが俺ら柱のお抱えだからだろ?ってか、『魅了』見たことねぇヤツいんの?」
「「……………」」
ほぼ全員、分かんねぇのかよ!
宇髄は心中、全力で突っ込んだ。
(因みに宇髄以外に胡蝶、伊黒、悲鳴嶼は知ってます)
「あの時、手を離さなければ……」
冨岡なりに責任を感じているらしい。
そりゃそうだよな。
上弦の鬼に抱かれた白藤。
猗窩座という名前に反応したのは煉獄だった。
どうやら、無限列車の折に、遭遇して一戦交えたらしい。
煉獄が相当な手練れだと言うのだから、かなりの実力だろう。
そんなヤツに白藤の存在が知れたとなると……
やべぇかもなぁ。
宇髄が考えを巡らせる中、皆口々に話始める。
「藤姫殿に目立った異変は?」
悲鳴嶼さんの指摘に、あっとなる。
さっき、御館様に普通に挨拶してたから気にしてなかったが……