第64章 絡む糸
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「とりあえず、一度本部に帰還しましょう」
胡蝶の言葉に頷き、一行は鱗滝邸を後にした。
「義勇さん。重く無いですか?」
白藤は自分を背負ったまま、疾走する冨岡に声をかける。
「大丈夫だ、心配するな」
「でも……」
来る時も背負ってもらってたのだし……
「白藤さーん。冨岡さんだって男なんですから、それくらい何でもないですよ。ね?冨岡さん?」
胡蝶に言われると癪に障るのは何故だろう。
「…………」
「しのぶちゃんったら。白藤ちゃん、好きな人の為なら、人は力が沸いてくるものだから、心配しなくて大丈夫よ、ね?冨岡さん」
ああ。
甘露寺、以外と良いヤツだな。
「…………」
何だろう。
義勇さん、何だか嬉しそう。