第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
寝台に二人。
裸のまま、掛布にくるまって微睡む。
「離さないで……」
「あぁ……心配かけたな……」
「義勇……」
「何だ?」
「私よりも、朔さんの方が好き?」
不安げな瞳がこちらを見つめる。
「………比べるのはおかしい気がするが、俺は二人共に愛しい。ただお前の元にいち早く帰りたいとずっと思っていた……」
冨岡の指が白藤の髪をとかす。
「不誠実ですまん」
「……義勇らしいわ。もう、そんなじゃ、怒れないじゃないの……」
「白藤……」
「分かってる。誰も悪くなかった。ただ、寂しかった……」
冨岡は白藤の額に口付ける。
キラリと輝く白藤の髪止めに見覚えがあった。
「まだ、持っていたのか……?」
「当たり前じゃない。義勇に初めてもらったプレゼントだもの……///」