第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
隣に並んだ冨岡の手を握り、二人で同契の謌を歌う。
「「静寂の波動 揺らぐ心は水鏡 ことほぎ燃ゆる 御霊の鎖 揺蕩う 飛沫と 契り籠ん!!」」
同契し、朔の剣の姿を見て、国王は静かに一度目を伏せた。
「そうか……」
「父上。冨岡をもうお認め頂いてもよろしいのではないですか?」
「いや、足りん。国への貢献としてはまだ、足りん……」
「そんな、父上!」
「確かに、同契し、所有権が俺にある以上、国への貢献度は低いでしょう。なので、秘境にいる叔父上から勅命を受け、隣国のインフェルノにて水不足の調査をし、この朔と共に雨乞いの儀式を行い、解決してまいりました。こちらが、叔父上からの勅命とインフェルノからの書状になります」
国王が書状に目を通す。