第60章 谷底の社$
蒸せかえる様な花の香りに眩暈を覚えながら、外の空気を入れようと天窓に手をかける。
外気を取り入れたことで魅了の効果も切れ、白藤の変化も消える。
猗窩座はあられもない姿の白藤に神職の着物を着せる。
残っていた神職の着物は男性物だったが、豊かな胸のおかげが意外とぴったり着せる事が出来た。
が、いかんせん猗窩座は処理の仕方までは知識がなく、溢れてきた白濁を拭くくらいしかせず、あとは昨日白藤が身に付けていた下着を履かせることしか出来なかった。
不思議と昨夜抱いた娘が白藤だった事実を知っても猗窩座は違和感を抱かなかった。
元々、特異体質な鬼なのだろう、というのが、猗窩座の見解だった。
起きたら、また腹を空かせるかもしれない。
猗窩座は陽光を避けながら、食料を探しに出掛けた。