第60章 谷底の社$
$$$↓猗窩座裏。鬼は絶倫を発揮。苦手な方は回れ右を。
花に群がる蟻のように、何かに誘われるように猗窩座は白藤の目の前へ。
そして、彼女を貪(むさぼ)るように口付ける。
チュッ、クチュ。
「ん、ふ……」
猗窩座が思っている通り、白藤の血鬼術が発動していた。
原因はやはり、出血多量による重度の飢餓状態。
それにより、彼女は魅了を発動していた。
『魅了』
相手の望む姿に見え、食事をしやすくする。
白藤にとっての食事は性を喰らうこと。
故に、白藤は本能的に猗窩座を補食することに決めたのだ。
蕾が開花するように、白藤の色香が艶やかに。