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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第60章 谷底の社$


彼女が言う体の変化とは。

まず、黒髪が白髪のように白く染まったこと。

日中は体を動かすことが困難になったこと。

特に陽光を直接浴びると、その箇所の肌が火傷のように黒ずむこと。

あとは夜に熱に浮かされるようになったこと。

自分の時は、無惨様が血を分けて下さって、そのまま鬼になったはずだ。

そんな、まどろっこしい流れではなかった筈だし、薬師………?

「十六夜……」

ドクン。

何だ?この違和感は。

噎(む)せるような花の香り、体の熱を昂らせるような心拍の上昇。

これは、十六夜の血鬼術か?

にしても…………

俺は上弦だぞ?

十二鬼月にも属していなければ、鬼としても半端な小娘相手に、この俺が遅れを取ったというのか?

藤色の瞳がこちらを見つめる。

「猗窩座様」

背筋に指が這わされるような……

そんな感覚に捕らわれる。

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