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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第60章 谷底の社$


「猗窩座様」

「これを使えば料理ができるか?」

風呂敷に包まれていた中身を開くと、使い込まれた調理器具が出てきた。

「はい、問題ありません。あとは魚か山菜があれば……」

すぐに用意するなら魚だと猗窩座が縄を手に、川へ向かう。

ここにはこの時期、鱒(ます)がよく泳いでいる。

手づかみで三匹。

猗窩座は手早く鱒の尾を縄で縛り、社へ持ち帰った。

米はないが、魚はある。

焼きさえすれば、食えるだろう。

そう考えて、猗窩座は歩を進めた。

普段ならやらない手間をかけてまで、この鬼を世話をする謂われは猗窩座には無い。

そのことに違和感すら抱かない。

まるで、もとから彼女を庇護していたかのように。

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