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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第60章 谷底の社$


「お前…」

「あ、すみません。勝手に上がり込んでしまって……」

彼女は藤色の瞳をこちらに向けた後、そのまま俯いてしまった。

「何をしていたんだ?」

「えっと、色々……分からなくて。ここが汚れていたので、掃除を…」

彼女が掃除をしていたのは竈。

「お前、鬼なのに何か作るのか?」

猗窩座は疑問をそのまま口にした。

「はい。私は……人を喰らいません、ので…?」

「いや、俺に聞かれても……」

妙な鬼だな。

「すみません……」

「何か用意するものはあるか?」

「え?」

「お前が食事に必要なモノは?」

「必要な、モノ……」

『鮭大根が食べたい…』

『そればかりじゃダメですよ?』

ほんの少し、脳裏に掠めた声。

「どうした?」

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