第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
目を閉じて、自らの指が冨岡の物だと念じながら、空いていた右手を掛布と下着の隙間へと伸ばしていく。
すぐに目当ての場所へは触れない。
冨岡がしてくれるように、内股を指でそうっとなぞったり、下着を軽く引っ張ったり。
そうっと、そうっと、時間をかけて。
でも……
キィ。
扉が開く音がした。
驚いた朔は一旦全ての動きを止める。
誰?
「朔、寝たか?」
義勇様?
ドキドキと鼓動が早鐘を打つ。
会いたかった。
でも、どうしよう。
物音がしたから、掛布をかけて寝たふりを決め込んだが、胸の下着は取り払ってしまったし……