第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
本当に姉妹か?
出来が良すぎだろう。
「お怪我はありませんか?」
「そこまで気遣いは……」
「あなたよりも彼女です」
前言撤回!
本当、女に優しい国だな?
「義勇様!」
本当に朔しかまともにみれなくなってきた。
「お怪我は?」
「大丈夫だ。……あとはお前たち次第だが、水源の岩を砕くか。俺たちに助力を乞うか」
「どうしますか?」
「助力を乞うたとして、見返りは?」
「そうだな、感謝状があればそれで構わない」
「え?」
「なぁ、朔」
「はい!」
「ですが、それでは釣り合いが……」
「なら、カナヲと言ったか?二十歳になったら王位を継承しろ。後ろ楯くらいにはなってやる」
少なくとも、姉二人よりも見込みがある。
「この城で一番見晴らしの良い場所に案内してくれ」
冨岡と朔は三人の案内のもと、塔の上に立った。
「朔、同契だ」
「はい!」