第3章 藤の花屋敷の鬼女$(冨岡裏)
負傷者が三名、藤の花の屋敷に療養に来るとの事で今日も今日とて屋敷を移動して来たのだが、残念ながら三名とも私の好みには当てはまらなかった。
新人隊員ですし。
十代男子の肉体が嫌いな訳では無いが、やはりどこか色気というか、そういったものが欲しくなるのも事実で。
なので、世話焼きのひさに化け、負傷した新人隊員の世話を交互にしていたところいつの間にか妖怪ババアと呼ばれていたのが記憶に新しい。
はぁ、どうせなら柱の誰かが藤の花の屋敷に療養に来たらなぁ。
柱ならば、何を置いても優先的に睦言を開始できるのだ。
先日の宇髄さんはとても立派なものをお持ちでしたし……
などと思っていた矢先に、那田蜘蛛山での負傷のため、藤の花の屋敷を療養に利用すると言ったのが水柱である冨岡義勇だった。