第6章 *ADB*幽霊の春* @キセキ@
「あ、あのさ、黒子君。
ちょっと、後で、いいかな……?」
呼び出すだけで緊張して
幽霊に教えてもらう前のような話し方になってしまう
黒子君は全く気付いていないようで
いいですよ
と答えた
あの桜の下
黒子君が来るまで
幽霊と話をしていた
さつきの事
さつきも、黒子君の事を好きだったはずだと
「……それは、仕方ありませン。
黒子君は2人はいませン。
黒子君が選ぶのですかラ。」
「それは、わかってるけど……。」
「…もし黒子君が貴方と付き合ったとしたら
さつきさんはこう思うでショウ。
黒子君が幸せであるように。
ト。
貴方だって、同じでショウ?」
「…。」
私は黙って頷いた
幽霊は
あの時と同じ
寂しそうな顔をしてた
「…ちゃんと向き合わない方が、ダメだよね。」
なんとなく
幽霊に
それを聞いちゃいけない気がした