第6章 *ADB*幽霊の春* @キセキ@
「確かにそうだね。」
「敬語、やめてみたらどうですか?」
「ほら!私には敬語とって喋れてるんだし!」
またもや注目されて、顔が赤くなってしまう
何度も口を開きかけるけど
何を言えばいいのかわからなくて、また閉じる
引っ込み思案な私の性格を嫌ってそうな(先入観w)
緑間君や
物事にすぐ興味をなくす
紫原君すら
私の目を見て言葉を待つ
注目に耐えきれなくなって
ようやく私から出た言葉は
「…もう、休憩、終わりでs………だよ!」
なんとも可愛げのない一言だった
青峰君を筆頭に
皆が笑いだす
それが嫌なわけじゃないけど
恥ずかしくて、体育館を逃げるように出て行った
……言いたい事がうまく言えなかったり
“あの人”と喋る事ができなかったりしたときは
いつもここに来るんだ
今の季節が見ごろの
桜の木の下に
ポエムじゃないけど
声が聞こえる気がする
元気づけられる