第2章 エイプリル☆女恐怖症@笠松@
「おい。黄瀬、森山。
に嘘を…」
俺が奴らを制止しようと、黄瀬の肩に手を置いた時だった
食い気味に、俺の言葉を隠すように
「ちゃんっ!
ちょっと、聞いてくれよ!」
「おい、お前ら…」
「実は、笠松先輩、」
『女が苦手なの、克服したらしい!(っスよ!)』
――――は?
―――俺はまだ全然――
彼女のにすら、目も合わせづらいような状況なのに
「ちょ…」
「ほ、本当ですか?!
嘘じゃないですか?!
や、やりましたね!先輩!私も嬉しいです!」
「あ、い、あ、その
あ、ああ!そそそそうだ!う、嘘じゃねぇ!」
真っ直ぐに、嬉しさのにじみ出た笑顔で
上目遣いで見つめられる
いつもは俺に遠慮して距離を保つが
2人の嘘を信じきっているため
数㎝程前にがいる
期待のこもった瞳に、俺は嘘だと言いだせなかった