第1章 今宵、蜜に溺れてく
「………っ、ぅ」
息が、苦しい。
熱い。
頭がクラクラする。
吐き出す吐息ですら、熱い。
倒れこんだ背中へと触れるシーツが、少しだけヒヤッとしていて気持ちいい。
「……………っは、ぁ、はぁ」
匠って、こんなに体力ある人だったの?
だっていつも……っ。
いつも、1回、で、終わり、だったのに。
「……理緒、すっごくかわいい」
「………っ」
意思とは関係なく流れた涙を匠の舌が拭って。
そのまま唇は、ほっぺたへと降りてくる。
「ふ……ぅ、んん……っ」
再度。
身動きすら出来ないわたしの口の中へと、匠の舌が入り込んだ。
「━━━…ん、ん、んん……っ」
気持ちいい。
キスが、すごく心地よくて気持ちいい。
匠とのキス、すごく好き。
………気持ちいい。
「……トロトロだね、理緒。キス好き?」
「すき」
にこりとそう、微笑むと。
匠も嬉しそうに満足そうに、笑って。
額へと、キスをした。
それから啄むように唇へと吸い付いて。
「舌、ちょーだい?理緒」
唇へのキスは続けたままに、匠がそう、囁く。
言われるままに、舌だけを唇から覗かせれば。
舌先だけが絡まって。
そのあとすぐに唇も匠のそれによって塞がれていた。
「━━━━━━っっ!???」
と、同時に。
再びわたしの体は匠によって貫かれて、いて。
口を塞がれていたせいもあるけど。
声にならない悲鳴が、漏れた。
「ん、ぅ、ん、んんぅ……っ」
頭を抱え込むようにわたしを抱き締めて。
腰を振る匠の動きが、はじめから余裕なく激しくわたしを揺さぶっていく。
重く。
一突き一突きが、奥を抉り。
ギリギリまで引き抜いてはすぐに奥を貫く。
雄の、動き。
さっきからもうどのくらいの時間こうしていたかわからないのに。
匠の動きは衰えるどころか。
激しさを増していき。
余裕のなさが、わたしをさらに高みへと押し上げる。
「━━━━━━〰️〰️〰️っっ!!」
「………っ」
チカチカと星が頭で舞った頃。
匠の動きが緩慢になって。
絞り出すように、ゆっくりゆっくりと、匠は腰を動かした。