The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「やった!!作戦成功!」
「お!上手くいったんだゾ!!エースみたいに大釜に押し潰されてペッチャンコになってるんだゾ!」
「おい、オレみたいには余計だ!ほんと…今日ついてなさ過ぎ、俺良いとこなしじゃんか」
「まぁまぁ。そういうこともあるって……それよりアイツが重りを押しのける前に魔法石を確認しに行かないと」
「あぁ。そうだな……」
メインの目的はバケモノの討伐じゃなくて、魔法石を手に入れて持ち帰ることだから。坑道の中に駆け込んでいくと後ろから低い声が聞こえて来る。
ひえっ。この地に響くような声、何度も聞きたくない。
エースとデュースが先頭に最初にあのバケモノを見つけた場所まで戻っていく。
「二人とも…道、わかるの?」
「あぁ。逃げる時に念のため道は確認しておいたからこっちであってるはずだ」
しばらく走るとエースが坑道の壁に埋まる石を指さした。その石は他の埋まっている色とりどりな石たちと違って虹色のような光を放っている。
「ん!おい、これ魔法石じゃね?」
これが?!確かに綺麗な石だけど、壁から掘り出さないと駄目だ。エースがペンをくるりと回すと石の周囲の土がとれて魔法石だけが壁から綺麗にとれた。へぇ、こんな便利な魔法あるんだ。ひとまず魔法石を手に取って落とさないようにポケットにしまった。
坑道から出ようとするとバケモノは今にも重しの大釜を押しのけそうな勢いで持ち上げている。
あのままだとすぐに大釜を退かしてしまう!
「おい!デュース、もっと重りを乗せるんだゾ!」
「とにかく重たそうなもの、どんどん乗せてっていいと思うよ。軽いとあのバケモノならすぐに退かせちゃう!」
デュースは慌ててペンを向ける。
「重たいもの?!え、えーといでよ!大釜!」
ガシャンと大きな金属音と怪物の呻き声が響く。
「それから…お、大釜!!……最後に、大釜!!」
「グゥアアア!!」
デュースくん、全部大釜……って何か大釜への強い思い入れでもあるの?召喚系の魔法が得意なのは分かったけど、重い物ってそんなに大釜以外思い浮かばないのかな。
バケモノも流石に大釜四つの重さには耐えきれず、呻き声をあげた。
「って…お前、大釜以外のレパートリー無いわけ?!」
「し、仕方ないだろ!テンパってるんだよ、俺だって!!」
「まぁまぁ。ちゃんと重しを乗せることは出来てるんだし」