The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
「う、と、とにかく!学園長の命令なら真面目に取り組んだ方がいい」
「あーはいはい。わかりましたよーだ。はぁ……面倒くさー」
「全くもう。それじゃあ、大食堂いくよ。グリム……ってあれ?」
「あの毛玉、いなくないか?」
話しはこれでまとまったとグリムを呼ぶとさっきまで横にいたはずのグリムがいない。こんな短時間目を離しただけでいなくなるなんて!!
エースの言葉に反射的に外へ向かうとぴゅーんと鏡舎から離れて行こうとする黒い毛玉……いや、グリムを見つけた。
あのエースが近くにいるのにやけにグリムが静かだなぁと思ったけどさ!
「へっへーん!あとはオマエらに任せたんだゾ!ばいばーい!」
「こらー!グリム!!」
「俺を身代わりにして、サボる気か!」
「エースくんは人のこと言えないでしょうが……」
苦笑しながら呟くとエースはこちらをひと睨み。
こうなったグリムは私では追いつけないのでどちらにせよ、エースに助けてもらうしかない。
もう!ここで逃げ出すの分かってたらグリム抱えていたのに…。
「おい!えーっと、ジュース?」
「んなっ!ジュースじゃない!
デュースだ!でゅっ!」
「ふふっ……あ、ご、ごめん…つい」
ジュースって…こんな状況なのに不覚にも笑う。
くすっと笑い声が漏れた時、二人タイミングよく揃ってこちらを向いた。
デュースって真面目な感じで顔も整っているから余計このギャップが凄いな。
「お前にも責任あんだから、あの毛玉捕まえるの手伝えよ!」
「何で僕が!!」
「そっちの冴えないやつは魔法が使えないから…戦力外!」
「足も遅いし、体力もないから。実際、魔法使えても戦力外だから否定できない…」
「え、まじ?完全に戦力外じゃん」
完全に巻き込まれてしまったデュースに申し訳ないが、もう少し付き合ってもらえるととてもありがたい。エースの言い方はムカつくけど戦力外通告されるのはおかしくないほど魔法が使えなのは勿論のこと、女だからみんなより体力ないし、更に足も遅い。
三重苦……私が目を離してしまったのが原因だから何も言えない。
「よーし、行くぞ!ジュース!」
「デュースだ!でゅっ!」
「もはや、エースくんの場合わざとなんじゃないかと思えてくるよ…」
そんなことないって笑いながらグリムを追って走っていくので念のため何かやらかさないか、慌てて二人の後を追った。