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The end of the story 【ツイステ】

第9章 Darkcloudsルームオーバー




そこら中からやった買えたと歓喜の声と落胆の声が同時に聞こえてくる。でもこれだけ人気なんだから本当に美味しいパンなんだろうね。


「へぇー。美味しそうじゃん!売り切れないうちにオレもなんか買ってこようかなーー?」
「卵サンド売り切れましたぁ〜デラックスメンチカツサンド最後の一つでーす!」
「買うのなら早めに行った方がいいな。この調子だとすぐに無くなりそうだ……ってそういや監督生、グリムは何処に……?」
「……あれ?さっきまでいたのに…ってまさか……」


嫌な予感に顔が引き攣った。すばしっこくぴょんぴょんとその小さな体を活かしてパンをいくつも取っていく姿に呆れを通り越してくる。

あの黒い影は恐らくというか絶対にグリムだ。

そして揉めてる……。


騒ぎは起こすなって散々学園長に言われたのに。


「やれやれだねー」
「グリムー!ステイステイ!ハウスーー!」
「グリムは犬じゃないだろっ!」
「はっ!そうだった、ついクルーウェル先生のノリで……」

グリムは犬じゃなくて猫だった!
このことをグリムに聞かれたら猫でもなく魔獣だと怒られそうだ。

どうも状況から見て後ろに並んでた生徒を押しのけてパンをゲットしているらしく、先輩方の割り込みをするなという声が聞こえてくる。

「あの毛玉、食べ物のことになると目の色が変わるよな」
「呆れてないでグリムを止めに行くぞ!」

これ以上騒ぎにならないうちにグリムを捕まえに行かないと!
学園長にまた怒られる。正直もう弁償のために走り回るのは勘弁だ。

「にゃはは!どうだ!オレ様の力を!
デラックスメンチカツサンドのラストはオレ様のものなんだゾ!
あと焼きそばパンとクリームパンもオレ様のものなんだゾ!」
「こら!グリム!いい加減にしろっ!」

本当にごめんなさい、並んでた先輩方!
なんとかグリムを止めた頃には満足したのかいくつものパンを鷲掴みにしている状態だった。

「あ、オレはローストビーフと釜焼きサンド一つね!」
「お前もちゃっかり割り込むな!」
「はー…ちゃんと並ばないと後々面倒なことになるっていうのに……」
「オレはこれ買ってくるけどお前らどうする?」
「んー、お金が心許ないしいつも通りかな。先に席取っておくよ。はい、グリム。これパンのお金」

自分もパン買いたいけどこの混雑具合じゃ席もすぐに無くなりそうだ。

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