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The end of the story 【ツイステ】

第9章 Darkcloudsルームオーバー





大きな崖のような場所に2頭のライオンがいる。

ヒューっと耳に直接吹き込むような風の音。


ここは一体何処なんだろう………


不思議な光景に戸惑い始めた頃、崖の上で掲げられた一頭のライオンの子どもは状況がよくわかってないのか不思議そうに小首を傾げていた。

可愛らしいライオンの子ども。

ライオン……ライオンといえば学園にもいったっけ?


***


ぱちりと目を開けると最近見慣れたオンボロ寮の天井。不思議な夢を見た気がする。
渇いた大地に強い風。行ったことないのに何故かその光景は脳裏に焼き付いていた。
うーん。妙に壮大でワイルドな夢だったことも覚えている。
突如聞き覚えのあるふなーっ!という声に体がびくりと跳ねた。

「ふなぁーぁーん!ゴロニャーン!」
「うわっ!びっくりした……グリムか……」


それにしてもなんてでかい寝言……
本人は狸と猫を否定しているが、これはどう見ても猫では?

グリムと一緒に使っているベッドでゴロゴロと喉を鳴らして幸せそうに眠っている。
ぶつぶつと何事か言っているグリムに思わず耳を澄ませると暴君リドルをやっつけてやったぞって……それ数週間前のことじゃんか。

先輩たちと学園長が言っていたオーバーブロット事件。リドル先輩が暴走してなんとか正気に戻すことができたんだ。数週間前のことだけど随分と濃い一日だったのを覚えている。
それに……その当人のリドル先輩にやらかしちゃったこともあるし……あれから正直ちゃんと話せてない。ちょっと気まずくて。
もうほとんど感覚はないけど、そっと自身の口元を指でなぞった。

あ゛ああぁ〜〜ー!!!駄目だ!これ以上思いだすのはやめよ!


熱くなった頬を冷ますようにパタパタと手で扇ぐ。


「グーリーム!朝だよー!そろそろ準備しないと朝ご飯食べ損ねるよ!!」
「…フガッ!!」

耳音で言うとグリムの耳がびくりと震えた。お、起きたかな?

「あれ?オンボロ寮?………なんだぁ〜リドルなんかメじゃない。最強魔法士になれたと思ったのに」
「あはは……随分と楽しそうな夢みてたみたいだね……」

肩を落とすグリムに苦笑しながらじゃあ最強魔法士になるためにも今日も授業頑張らないとだねと笑いかけて、制服に袖を通す。
体に香水を纏わせて……っと。

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