The end of the story 【ツイステ】
第6章 Crazyパーティー!
ふと目を覚ますと硬い床の上だ。
そうか…オレあの後寝落ちしたのか。最初にうとうとしてたグリムが寝て。それにつられるようにしてデュースまで寝て。
無防備に床に転がるユウにため息を吐いた。
コイツ、結局ソファで寝なかったのか。
変なところで頑固なやつだよな。コイツは。
「随分と幸せそうに寝ちゃって…男だらけの男子校で女子一人っていう危機感を持ってくれねぇかな」
ツンツンと柔らかそうな頬を突っつくと寝息を立てるだけで起きない。コイツが入学式で乱入してきてから数日が経った。本当に濃い数日だ。
魔法の使えないやつとモンスターが何故か乱入してきて、石像燃やして、シャンデリアを壊してしまったからドワーフ鉱山まで取りに行って、そこで変な化け物に襲われて。
「しかも魔法が使えないってのに突っ走ってちゃって……」
「……んぅ」
「はぁ……デュースはこういうのには鈍いからいいけどさ。特にケイト先輩は妙に近距離でコイツに話しかけてくるし」
警戒心を持って欲しい。
いつ性別がバレるかなんて分からない。力の差で簡単に押さえつけられることをコイツは知らないんだ。
いつもはびっくりするくらい強いと思うとこもあれば、ふとしたところで弱いところが出てくる。
本当に不思議な奴。異世界から来たってのは最初は全然信じられなかったけど、本当に幼稚園レベルの常識も知らない様子を見て本当だったのを知った。
流石にこれを知った時、初めて会った頃言い過ぎたことを後悔した。
そりゃ知らなくて当然だよな。オレだってコイツの世界のこと、どんな生活をしていたのかなんて知らねえから。
何より不思議だったのは相手のために必死になれるくせに自分に対して無頓着すぎること。
しょっちゅう怪我してきて何食わぬ顔で戻ってくるそれが一番堪えるのをコイツは全くもって分かってない。最初はなんで自分を心配してくれるのか分からないという顔をしていた時は心配を通り越して呆れた。
どんな生活をしていたらこうなるのか。
それについてお前はなぜか何も教えてくれない。
「こっちは毎回怪我したりするたびに心配してるのにずるい奴だな。本当」
背中と膝下に手を入れて持ち上げる。うわぁ、かるっ!何コイツ軽過ぎでしょ!
何食べたらこうなるわけ?痩せてるとは思ってたし、食堂でも食べてる量が少なかったけど。これは流石に軽すぎ……。