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The end of the story 【ツイステ】

第5章 Spray パヒューム




こいつ一体どうしたんだ?と聞かれて、デュースのためにも一つ大人になったんだよとだけ伝えると余計に意味がわからないという顔をされてしまった。


「よし、一気に仕上げよう!エースと待ってる間、タルト生地は完成させたからあとは生クリームを混ぜてマロンクリームをタルトに乗せるんだ」
「よっしゃ!パパッと済ませちゃおうぜ!」
「タルト食べるの楽しみなんだゾ!!」
「やる気十分なのはいいが、そのまま集中力を切らすなよ?」


はーいと仲良く返事をするとデュースとグリムが魔法でクリームをのせ始めるが、魔法の使えない私とエースは地道にヘラで形を整える。
パーティー用のタルト一つとこの後食べる用で三つ分のタルト生地にクリームを乗せていく。

魔法で細いクリームがひらひらと生地に降りていくのを見るのは中々楽しい。見た目以上にコントロールが難しいらしくデュースとグリムは早々にリタイアしてしまって手作業だ。

「ここまでよく頑張ったな。あとはてっぺんにマロングラッセを置いてくれ」
「はいはい!オレ様がやる!」
「最後の最後でミスんなよ?」
「任せろ!……それっ!」

グリムが魔法を使って栗を浮かせるとタルト上にマロングラッセをのせた。

これでようやくマロンタルトの完成だ!本当にトラブルも多かったけど完成してよかった。
わぁっと歓声が上がる中でデュースがまだ地味に落ち込んでいるのが対象的だ。こんなに落ち込むと思わなかった……ごめんデュース、あんなにはっきりと言わないで生命の神秘で終わらせればよかったね。


「うわぁ!美味しそうなんだゾ!」
「んんーお菓子作りってこんなに大変だったんだな。もう腕が痛いし、メチャクチャ疲れたー」
「エースとユウは魔法を使えないし、余計に疲れただろうな」

お疲れ様とトレイ先輩が声をかけてくれる。
途中で割って入るような声が聞こえて振り向くとマロンタルトにスマホを向けるケイト先輩の姿があった。

「おつおつ!タルト完成した?
お、マジカメ映えって感じ!一枚撮らせて?」

許可を貰う前に写真に収める姿は本当にブレない。

「あーっ!アンタ、今さら何しに来たんだよ」
「可愛い後輩たちが頑張ってるかなぁって見にきたんじゃん?あはは!めっちゃ疲れた顔してるー!」

ププっと笑いながらケイト先輩は私たちのぐでっとした様子をパシャパシャと写真に収めた。

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