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The end of the story 【ツイステ】

第4章 stolenスイーツ!





厳格なハーツラビュル寮長にこんな一面もあるとはと我に帰ったリドルに嗜められるまでクスクスと笑い続けた。


***


「うわー!やっちゃったー!!流石に無理矢理話をぶった斬りすぎたよね……あれじゃ余計に怪しまれる」


ため息を吐いてとぼとぼと食堂に向かう。

心配されているのは分かってる。気づけなくてあれだけエースたちに言われたわけだし、ローズハート先輩は更に分かりやすい。

ぐっと眉を下げて視線の近い私を見下ろされる時、居た堪れなくなるのだ。
確かに前の世界だと体調崩しがちで運動は歩く程度だったけど、この世界に来てから倒れることがなくなって油断してた。次は気をつけないと……。

大食堂に行くともうたくさんの人が昼食を取りに来ている。エースとデュース、グリムは何処かな。

と思ったけど、すぐに見つけられた。


あちゃー騒ぎが起きてる。あの三人はトラブルを持ち込まないと気が済まないのだろうか。
人の陰でこっそりと聞いた限りだと先輩の方が先に目をつけたようだけど、その理由がグリムの鶏肉のグリルが食べたいからって……小学生でもこれくらい譲り合いするのに。
名門学校なのか疑いたくなるよ。



用は当たり屋ってやつだ。最初から鶏肉のグリルを奪うためにカルボナーラの卵が割れたと言い出したんだ。
まぁ、よそ見をしていたグリムも悪い。


「すみません、グリムがぶつかってしまったようで。でも、先輩?卵、割れてないので鶏肉のグリルをあげなくても大丈夫ですよね?」
「お前はオンボロ寮の……っては?」
「おい、

お前のカルボナーラの卵が元に戻ってるぞ」


先輩の手元に黄身が崩れたカルボナーラは乗ってない。これでグリムに突っかかる必要はなくなったよね?その理由がなくなるんだから。

「なんで……お前どうやって」
「ね?先輩、カルボナーラの卵割れてないですよ。なら従う必要ないですよね?」

今の私、かなり悪い顔してる自信ある。
何か言うことはあります?と優しく笑う表情が妙な威圧感を生んで先輩方の表情が引き攣るのをエースたちは見た。


「く、し…仕方ねぇ。パスタが伸びちゃうから今日のところは見逃してやる」
「ちっ。調子乗るなよ、新入生ども」

捨て台詞を吐いて食堂の人混みを縫うようにバタバタと去っていく先輩に笑いながらひらひらと手を振った。
じゃーね、次も来ないでね。

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