The end of the story 【ツイステ】
第1章 mirrorハプニング!
野宿の経験はないけれど。寒空ってことはここでは今、秋か冬かな。夏なら野宿はできたかもしれないけど。
秋に入学ってことなら外国の形式と似てるかも。
「そうだ……学園内に今は使われていない建物がありますから。そこなら昔、寮として使われていた建物なので、掃除すれば寝泊まりぐらいはできるはずです。そこでよければ、しばらく宿として貸し出して差し上げましょう!」
「あ、ありがとうございます……」
「なんて優しいんでしょう!私!教育者の鏡ですね。寮は少し古い場所ですが、趣のある場所ですよ」
お世話になるのであまり強くは言えないけど、これで案内されるのがゴーストが住み着くオンボロ寮だと知っている私はもう少しいい場所なかったのか聞きたくなった。
にっこりと仮面の奥で胡散臭い笑みを浮かべてそうだなぁ。と思いながらも私は諦めてついていくしかない。クロウリーさんには気づかれないように私は小さくため息を吐いた。
***
案内されたのはやっぱり原作通りのオンボロ寮。
実際に見てみると思っているより酷い。
外壁は剥がれかけているし、至るところに蜘蛛の巣がある。
雑草は腰元ぐらいまで伸びている。どれだけ長い間使われていない寮なのかすぐにわかる見た目だった。
「ボロボロ……これは趣がありすぎますね」
「そうでしょう、そうでしょう?さぁ、中へ」
中に入ってみれば、埃が本当に真っ白になるくらい降り積もっているし。これはすぐに換気してすぐに使うところだけでも掃き掃除しておかないとダメそうだ。
蜘蛛の巣を手で払いながら掃除道具の場所を聞いておいた。私にとっては埃は物凄く害のあるものだから。
掃除はあんまり得意じゃないけどやらないと住めないから仕方ない。
「それでは私は調べ物に戻りますので。学園内ではウロウロしないように!……では」
そう言い残し、さっさと寮から出て行ってしまった。少しくらい手伝ってくれてもとは思ったけど、やらないと終わらないので蜘蛛の巣を払うことから始めた。真っ白な埃は箒ではくと山盛りになる。どれだけ長い間、使っていない寮なのか。これは数年単位ってレベルじゃない。
寝る場所だけでも先にと掃除をしているとぽたりと顔に冷たい水滴が当たった。驚いて顔を上げると天井には黒っぽく染みができている。それもたった一つじゃなく、何箇所に点々としている。