第6章 第6話 渡さない@
千歳「…あっ…ダメ…もぅっ、やっ国広」
千歳の頬に涙が伝う。
嬌声ではなく泣き声であったことに気づいて、俺は狼狽した。
千歳「お前も、か…」
山姥切「え?」
千歳「自分の欲のためだけに私を使うつもりなのだろう」
山姥切「主、違う‼️」
千歳「あの時の親父の様に…」
山姥切「主?」
千歳「私が十六の頃だ。あの男が、私を無理やり……あの時、お前は女としては使い物にならないと言われた。だから私は男相手に色は使わない。男達と同じ様に強く、逞しく、自分が下になることは無いように……」
幸か不幸か千歳は昨日の出来事を覚えていない。
山姥切「千歳、すまない。俺は……俺は、アンタが好きだ。アンタに触れたい」
千歳「国広が私を…?冗談、他の誰より汚らわしい私を好きだと、本気か?」
山姥切「俺はアンタだから好きになったんだ。だからもう俺以外アンタを誰にも触らせない」
チュッ。