第36章 後日談 廻り
歌仙「あそこは僕の趣味には合わなくてね……結局二年待つことになったけど、君があの本丸に来てくれて助かったよ」
千歳「何故……」
歌仙「確かに君なら正直に話せば身体を開いてくれたかもしれないね。……僕は狡いんだ。君に想われる資格はない」
千歳「そうやってわざわざ自分を追い込むのか?」
歌仙「主」
千歳「千歳でいい」
歌仙「君…人の話聞いてたかい?」
千歳「私はあの本丸にお前が居たことで救われた。それは事実だよ」
歌仙「それが全て虚構でもかい?」
千歳「ああ」
歌仙「君もお人好しだね」
千歳「お互い様だろう?」
夕闇に溶けていくような彼女の儚げな笑顔を見ながら。
歌仙「今度は本気になってもいいかい?」
彼女に聞こえないように自重気味に呟いてみる。
千歳「ん?」
君はそうやって、僕にもちょーぎの様にやり直せと言うんだね?
歌仙「いいや、ありがとう。千歳」