第36章 後日談 廻り
端の方で同席している医師、看護師共に啜り泣いている。
全く、今日の千歳はいつにもまして口説き上手だ。
山姥切「いいんだな?」
千歳「ああ」
スゥー。
眠る様に再度思考の海に潜り込む千歳を俺はただただ手を握り、彼女の帰りを待ち続けた。
医師「お疲れ様でした、これにて終了です」
看護師「奥様、ご立派でした」
山姥切「お疲れ」
千歳「国広…」
ぎゅっと抱き着く。
山姥切「おい、人目が…」
千歳「ありがとう……」
礼を言うのは寧ろ俺の方だろう。
子供達を守り、助けたのも彼女。
治療を乗り越えたのも彼女の力だ。
俺は……
@@@
千歳「帰りに万屋に寄って行く」
山姥切「何か買いたいものでもあるのか?」
千歳「一応…念のため…」
山姥切「?」
@@@
山姥切「千歳…」
千歳「うん?翡翠と瑠璃なら寝たぞ?」
山姥切「今、何を隠した?」
千歳「何でもない!」
カラッ。
山姥切「これは…?」
千歳「う。妊娠検査薬です」
山姥切「で、結果は?」
千歳「陰性。今回はできてなかった。多分……」